ビワマスは、サクラマスとサツキマスにごく近縁の、琵琶湖固有のサケ科魚類です。琵琶湖周辺の河川で12月頃に孵化した稚魚は、翌年の5〜6月には琵琶湖へ降り、2.5〜3.5年の間は水温躍層下で甲殻類や魚類を食して成長した後、故郷の河川へ遡上して卵を産み、一生を終えます。
このように、ビワマスは琵琶湖を海としてサケ同様の生活史を持つ、いわば “ビワサーモン” ともいえる魚です。適水温は8〜13℃くらいで、群れをつくる習性があります。
琵琶湖の表面の水温は冬から春にかけ、7℃まで下がります。夏には30℃を超えますが、水深30mなら、夏でも11℃くらいです。表層から低層までの水温が一定となる春先には、水面から水深30m以深までと、幅広い層を泳いでいます。
以下は、過去の滋賀県水産科資料等からの引用です。
標準和名:ビワマス
学名:Oncorhy nchus masou subsp.
古くは『延喜式』により、朝廷に対し納められていると記されています。
驚くことに増殖対策はすでに明治6年頃より、琵琶湖の漁師有志により始められ、現在は滋賀県と漁業協同組合連合により毎年、2gに育てた稚魚をおよそ70万匹放流しています。
10〜11月頃に産卵期をむかえますが、他のサケ科魚類と違いは、2〜5才の間に大きさがバラバラで婚姻をむかえる事です。
その事により、12月より解禁をむかえたタイミングでは湖の魚のサイズもバラついており、婚姻をむかえない魚達はフレッシュそのものです。
ビワマス の生息域は主に、水深が30m以上ある北湖全域を小さな群れで回遊しています。
大きさについては5㎏サイズの80㎝オーバーもいると聞きますが私達が現物確認しているものは72cm、4,20kg(写真、剥製が残っています)です。
約2万年前から、固有種として独自の進化をしているこの魚は、琵琶湖の食物連鎖のほぼ頂点にいます(ビワコオオナマズを除きます)。